大気圧非平衡プラズマを用いた新規なメタン転換技術の開発
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
化石燃料利用体系の省エネルギー,省資源,CO2排出抑制が求められている。現在は,熱化学的手法を基盤としたエネルギー・物質変換が主要な役割を果たしているが,長期的なエネルギー資源利用体系のあり方を考えたとき,既成技術の延長線上にない革新的な反応プロセスの開発が不可欠である。このような背景から,我々は大気圧非平衡プラズマを利用して,天然ガスやバイオガスの主成分であるメタンを高効率に転換するための技術を開発している。本稿では一般的なプラズマ燃料改質の概要を述べた後,これまで我々が取り組んできた研究を二つ紹介する。まず,プラズマ-触媒ハイブリッド反応を用いた低温メタン水蒸気改質について概要を述べた後,マイクロプラズマによるメタンからメタノールの常温直接合成を紹介する。それぞれ,具体的な応用を目指したプラズマ燃料改質の位置づけを明確にした後,プラズマ固有の反応特性,たとえばプラズマと触媒のシナジー効果,マイクロプラズマによる高度に非平衡化された化学反応場の創成など,将来の革新的技術開発につながると期待される新しい技術の概要を紹介する。最後にプラズマ燃料改質の展望を述べて本稿のくくりとする。
- 2011-05-01
著者
関連論文
- これからの大学院教育を考える(座談会)
- プラズマ・触媒複合反応による低温メタン改質の速度論的考察
- 固体高分子形燃料電池セル内の電気化学反応と熱輸送の連成現象(熱工学,内燃機関,動力など)
- 燃料電池を核とする統合的エネルギーシステム
- 燃料電池とエネルギー・システム--水素エネルギーの汎用利用法の開拓に向けて (特集 燃料電池の研究開発動向)
- プラズマCVDにおけるカーボンナノチューブ成長モードの圧力依存性(熱工学,内燃機関,動力など)
- 2-32 非平衡プラズマ・触媒ハイブリッドリアクターによる低温水蒸気改質のメカニズム解明((8)FT・改質,Session 2 天然ガス・メタンハイドレート等,研究発表(口頭発表))
- 大気圧非平衡プラズマのミクロ構造を利用した垂直配向単層カーボンナノチューブの合成
- 大気圧グロープラズマCVDによる材料合成
- マイクロプラズマを使ったシリコンナノ粒子の気相合成