黒毛和種一卵性双子の経腟生体卵子吸引成績に及ぼす飼養方法および遺伝的要因の影響

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供卵牛の飼養方法と遺伝的要因が生体卵子吸引（以下，OPU）成績に及ぼす影響を胚の切断2分離により作出した黒毛和種雌一卵性双子4組計8頭を用いて検討した．10〜14ヵ月齢から双子の一方を肥育用管理（肥育区）に，他方は繁殖用管理（繁殖区）に振り分けた．各双子組の両方のウシでOPU操作が可能となった時点から肥育区のウシのOPU操作ができなくなるまで1週間間隔で継続して全8頭のOPUを行った．OPU回数は双子組により12〜26回と変動したが，各組での実施回数を統一するために12回目までの成績を用いて統計処理を行った．OPU実施時の推定卵胞数は飼養方法による差はみられなかったが，双子組間に有意差が認められた．OPUによる回収卵子率では飼養方法間，双子組間とも有意差が認められ，これは飼養方法および個体による腹腔内脂肪の付着の程度がOPU操作に影響を与えたとも考えられた．回収卵子の品質には飼養方法間，双子組間の違いはみられなかった．以上より，OPU成績は，肥育牛向け管理および繁殖牛向け管理という飼養方法の違いによる影響を受けない遺伝的に決まっている卵胞数の多寡に影響を受けることが認められた．また，回収卵子率は双子組間および飼養方法間で差がみられたことから，個体による腹腔内脂肪の付着の程度を含めて，遺伝的および環境要因がOPU時の経直腸ならびに経腟での操作に影響を与えることが示唆された．
2007-05-25

黒毛和種一卵性双子の経腟生体卵子吸引成績に及ぼす飼養方法および遺伝的要因の影響

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