食事負荷試験におけるインスリン分泌に及ぼすナテグリニドの急性効果
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概要
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目的:2型糖尿病患者におけるナテグリニド(NG)の食後の血糖値,インスリン(IRI),脂質に及ぼす急性効果を食事負荷試験を行い検討した。対象および方法:対象は17人の2型糖尿病患者で,90mgNG未投与と投与直後のそれぞれの条件下で食事負荷試験を行い,血糖値,IRI,中性脂肪,遊離脂肪酸を負荷前と負荷後は30分ごとに180分まで測定した。結果:血糖値は,NG未投与では60分が頂値であったが,NG投与後は30分が頂値となり,その後速やかに低下した。負荷後30分のIRIはNG未投与34.9±32.2μU/mlより投与後は51.2±35.0μU/mlと有意に上昇(p<0.05)した。しかし,総IRI値はNG投与前後で有意差はなかった。一方,中性脂肪は食事負荷試験により有意な上昇を認めなかった。遊離脂肪酸は負荷後有意に低下したが,NG投与前後で有意差はみられなかった。結論:NGは総インスリン分泌量の増加を伴わず,選択的に早期インスリン分泌のみを増加することにより食後高血糖を改善することが示唆された。
- 2005-03-01
著者
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比嘉 眞理子
済生会神奈川県病院内科
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山室 渡
済生会神奈川県病院内科
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金子 幸代
済生会神奈川県病院内科
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廣井 直樹
済生会神奈川県病院内科
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芳野 原
東邦大学医学部内科学講座(大森)糖尿病・代謝・内分泌科
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廣井 直樹
東邦大 医療セ 大森病院 糖尿病・代謝・内分泌セ
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芳野 原
東邦大学 医学部内科学講座(大森)糖尿病・代謝・内分泌科
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山室 渡
済生会横浜市東部病院内科
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廣井 直樹
東邦大学 医学部 第一内科
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芳野 原
東邦大学医学部 内科学糖尿病代謝内分泌科
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比嘉 眞理子
済生会横浜市東部病院糖尿病・内分泌内科
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