イネ準同質遺伝子系統を用いた穂いもち圃場抵抗性遺伝子Pb1による穂いもち発病抑制効果の定量的評価
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概要
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インド型イネ「Modan」に由来する穂いもち圃場抵抗性遺伝子Pb1の発病抑制効果を定量的に評価する目的で, 「黄金晴」(Pb1-+)/「月の光」(Pb1)の交配後代に由来する約2,000のF_7組換え型近交系(RILs)から作出したPb1座に関する3種のF_8準同質遺伝子系統(NIL)ペアと, Pb1座およびイネ縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-i座に関する「コシヒカリ」のNILとを用いて2ヶ所の検定地で2ヶ年にわたりいもち病抵抗性検定を行った.Pb1遺伝子の発病抑制効果は, 葉いもち<止葉葉いもち<穂いもちの順に高く, イネの発育ステージの進展に応じてより強い圃場抵抗性を発現した.Pb1の罹病籾率低減効果を示す「防除価」は, 2ヶ年ともに平均93で極めて高い値を示し, Pb1は, 幅広い穂いもち発生条件下において高い発病抑制効果を発現した.Pb1座に関する3種のNILペア内でPb1を持つNILと持たないNILとの精玄米収量比は, 穂いもち少発生条件では0.78〜1.29(1.07±0.18)と1に近かったが, 多発生条件では2.40〜16.22と大きく, 穂いもち多発条件ほど減収軽減効果は高かった.また, 穂いもち多発生条件下で, Pb1を持つNILは, 持たないNILより精玄米歩合が有意に高く, 千粒重が有意に重く, 玄米蛋白質含量が有意に低く, Pb1の穂いもち発病抑制効果により, 品質および食味低下を軽減する二次的効果が認められた.
- 日本育種学会の論文
- 2005-06-01
著者
-
早野 由里子
北農研
-
早野 由里子
北海道農業研究センター
-
藤井 潔
愛知県立農業大学校
-
藤井 潔
愛知県農業総合試験場
-
杉浦 直樹
愛知県農業総合試験場
-
井澤 敏彦
愛知県農業総合試験場
-
林 長生
愛知県農業総合試験場山間農業研究所
-
林 長生
生物研
-
藤井 潔
愛知県農業総合試験場山間技術実験農場
-
岩崎 眞人
北海道農業研究センター
-
林 長生
(独)農業生物資源研究所
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