異なる貯蔵温度でのローズマリー及びα-トコフェロールの酸化防止相乗作用と乾燥イワシ肉の酸化防止への応用

概要

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ローズマリー (RM) とα-トコフェロール (Toc) の混合添加区 (0. 035%+0. 035%) による酸化防止相乗効果についてイワシ油及びイワシ凍結乾燥肉を用いて検討した。RMあるいはTocの単独添加区 (0.07%) に比べ, 混合添加区の強い酸化防止力はイワシ油では30℃, 50℃, イワシ凍結乾燥肉では5℃で認められた。イワシ油では, その相乗効果は貯蔵中における過酸化脂質の形成をよく抑制するだけではなく, Tocの酸化防止活性を持続し, 残存期間を延長した。イワシ凍結乾燥肉では, 混合添加区の過酸化物価が一番低く, さらに, (EPA +DHA) /16 : 0 の比は高く, 高度不飽和脂肪酸の酸化を有効に抑制した。イワシ凍結乾燥肉では混合添加区のトリアシルグリセロール (TG) の組成比は高く, 酸化によるTGの分解もよく抑えた。しかし, イワシ油90 ℃では, RMの酸化防止力及びTocとの相乗効果はともに失活した。
社団法人日本油化学会の論文
1994-02-20