高性能エアフィルタの2峰性繊維径分布を考慮した捕集効率の推定

概要

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HEPA (High Efficiency Particulate Air) フィルタの捕集効率を推定するためには, 繊維径分布を正確に測定した上で, その影響を厳密に考慮する必要がある.しかし, HEPAフィルタの繊維径分布は, 源材の表面と内部で変化するため, その正確な測定は困難である.本研究では, 濾材の断面からより厳密に測定した繊維径分布を, 従来の表面から測定したものと比較した.その結果, 断面の繊維径分布を用いると, 従来不均一性補正因子δpが1以下であったフィルタでも, δp>1となることがわかった.従って, δp<1となるフィルタは, その代表的な繊維径分布が測定できていないと言える.しかし, 断面の繊維径分布を用いても, 従来の濾過理論では繊維径分布の多峰性による影響を十分考慮できていないため, 捕集効率の推定精度はそれほど向上しなかった.そこで, δpを導入せず, 2峰分布を用いて繊維径分布の影響をより厳密に考慮し捕集効率を推定した結果, δpを用いた従来の推定法と同程度の粒子透過率の推定結果を得ることができた.
社団法人化学工学会の論文
1998-09-10