東南極みずほ高原で観測されたレーダー多重反射から求めた岩盤形態について
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概要
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日本南極観測隊はみずほ高原を中心に,電波氷厚計を用いて,氷厚の測定を行った.観測される電波エコーは,多重反射を示している. NARUSEとYOKOYAMAは,エコー時間の最も長いエコーを岩盤からの反射と仮定して,氷厚を計算した.しかし,岩盤の細い凸凹に起因するといわれている"spatial fading効果"によって,岩盤からりエコーの欠落が起こることが知られている.また,岩盤表面が大きなスケールで起伏している場合には,岩盤からのエコーよりもエコー時間の長いエコー,あるいは短いエコーが観測されることも知られている.したがって,上記の仮定はかならずしも正しくない.この論文では,上記の効果を考慮して多重反射エコーを総合的に解析し,より妥当な氷厚および岩盤形態を導き出した.みずほ高原の相当部分,少なくともルートA以北の大部分では,底面すべりが起こっており,底の岩盤上に水が存在することを考えて,得られた岩盤地形のある部分(図2のV-W谷)には,氷下湖の存在する可能性があることを示した.
- 国立極地研究所の論文
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