固定化ペルオキシダーゼ反応カラムを用いるゼロエミッションフローインジェクション法による微量過酸化水素の定量
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概要
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ペルオキシダーゼ固定化酵素反応カラムを組み込んだフローインジェクション分析法(FIA)システムによる微量過酸化水素の定量法のゼロエミッション化を検討した.二流路で構成されていたFIAシステムを一流路とし,過酸化水素と3-(p-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(HPPA)がペルオキシダーゼにより酵素反応して生成するHPPAの二量体の蛍光強度を測定した後,陰イオン交換樹脂にHPPAの二量体と未反応のHPPA試薬を吸着させて除去し循環させるシステムを構築した.以前の報告では過酸化水素を含む試料をそのままFIAへの注入試料としていたが,使用する試薬量の軽減などの目的から,本法では過酸化水素を含む試料とHPPA試薬を混合した溶液をFIAへの注入試料とした.本法の精度は検量線の直線範囲0~0.07 ppmで相関係数0.998以上,0.04 ppmの過酸化水素を7回連続して測定したときの再現性は,相対標準偏差で6.9% とほぼ満足できる結果が得られた.また,雨水中に含まれると考えられる共存イオン並びに共存物質の影響を検討し,影響がないことを確認した後,実際の雨水を用いて検討した結果,雨水試料中に含まれる過酸化水素の定量に適用できることを確認した.
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