禁煙後の体重と糖・脂質代謝指標の変化の検討

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概要

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人間ドック受診時に禁煙指導を受け1年後に禁煙していた者の禁煙後2年以内の体重および血糖,血清脂質の変化について喫煙継続者と比較した。禁煙群の体重変化は平均1.6±2kg(最大5.6kg)で体重および体格指数(BMI)は有意に増加した。喫煙群の体重変化は平均0.3±0.5kg(最大6.8kg)で有意な変化はなかった。禁煙群では経過観察始めに,BMIが標準(BMI=22kg/m2)未満の者で増加した者が多かった。禁煙群での体重の変化は血清糖脂質代謝指標の変化とは関連がみられなかったが,喫煙群では体重増加は総コレステn一ル,LDL一コレステロールの上昇およびHDL-コレステロールの低下と関連していた。禁煙後に体重は増加するがそれはBMIが標準未満の者に体重増加が多かったからであり,また,体重増加に伴う血清糖脂質代謝指標の変化はなかったことから,禁煙後の体重増加が心血管系疾患予防効果を阻害する積極的な証拠はみいだせなかった。
公益社団法人日本人間ドック学会の論文

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