点状出血斑を伴うT細胞皮膚リンパ腫の1例
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概要
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19歳,男性。11歳頃から全身に自覚症状のない点状出血を伴う紅斑が出現し,1年前より拡大。病理組織所見では,表皮内に小型リンパ球の浸潤,真皮には血管周囲性に核に切れ込みのある小型リンパ球や大型異型リンパ球,組織球など多彩な細胞浸潤がみられた。赤血球の血管外漏出もあり。免疫組織化学では,CD3,CD4,CLA陽性細胞が多く,CD30,granzymeB陽性細胞も散在性にあり。TIA-1,ALK陰性。単クローン性は検出されず。Mycosis fungoides(MF)やそのlarge cell transformationとするには,Pautrier微小膿瘍やmycosis細胞はみられず,真皮浸潤細胞は小型リンパ球,異型大型細胞,組織球など多彩で,免疫組織化学も多彩。Cutaneous anaplastic large cell lymphomaとするにはCD30の陽性率が低く,lymphomatoid papulosisは臨床像が当てはまらなかった。MFやCD30+primary cutaneous CD30+T-cell lymphoproliferative disordersとは診断できない点状出血斑を伴う皮膚T細胞性リンパ腫と診断した。
著者
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