ダウン症児の発話の調節能力の特徴:―非ダウン症知的障害児との比較―
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概要
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ダウン症児の発話の調節能力の特徴を明らかにするために、発話速度と声の大きさの調節課題および模倣課題を実施した。学齢期のダウン症児および非ダウン症知的障害児各16名を対象とした。発話の調節課題の結果、ダウン症児群は非ダウン症知的障害児群と比較して、声の大きさの調節については差がみられなかったものの、発話速度の調節課題の成績は有意に低かった。このことから、ダウン症児は、非ダウン症知的障害児と比較して、発話速度の調節能力が低い可能性が示唆された。発話の模倣能力については、発話速度と声の大きさのいずれも両群間に差がみられなかった。また、ダウン症児群には、発話速度の模倣は可能であるにもかかわらず、速度の自覚的な調節が不可能であった者が多くみられた。これらのことから、ダウン症児の発話速度の調節能力の低さは、口腔運動能力の低さによるものではなく、発話速度に対するメタ言語意識の低さがかかわっている可能性が考えられた。
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