リモートセンシングにおける多時期,多センサの画像データを使用した作物生育解析手法の開発‐コムギ生育診断での試み‐
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概要
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本研究では,限られた地域における入手可能な多時期,多センサ画像データを活用した時系列的な作物生育診断を可能にするべく,アスファルトの地上での反射率を基準として波長帯毎にディジタルナンバー(以下DNと略す)を正規化して多時期,多センサ画像データの比較を可能にする手法を提案する.ここでいう「正規化」とは,各画像データのDNを地上反射率に換算することである.センサが異なる画像データのDNは,反射率に換算するためのゲイン及びオフセットの値が異なり,そのままでは画像データ間での比較に用いることができない.多時期に撮影された画像データは大気補正も必要である.そこで,衛星データの分解能でも位置を目で特定できる広さを持ち,かつ時期による反射率の変動が少ないアスファルトの地上での反射率を基準として波長帯毎にDNを正規化することによりこの両者を同時に補正し,多時期,多センサ画像データの比較を可能にした.その上で,茨城県筑西市田谷川地区を対象とし,2006~2009年にかけて秋播きコムギ茎立ち期~成熟期におけるALOS/AVNIR-2,航空機/ADS-40及び航空写真用フィルムの画像データに本手法を適用し,有効性を検証した.DNの正規化による地上反射率から計算したNDVIの経時変化はいずれの画像データでも同様の値及び傾向を示し,正規化の適正さを確認した.また,コムギ茎立ち期のNDVIは,いずれの年次でも収量と有意な相関関係を持ち,生育診断の指標となることが示された.
著者
-
太田 健
中央農業総合研究センター
-
菅原 幸治
中央農業総合研究センター
-
浅井 元朗
中央農業総合研究センター
-
澁谷 知子
中央農業総合研究センター
-
中谷 敬子
中央農業総合研究センター
-
三浦 重典
中央農業総合研究センター
-
中園 江
中央農業総合研究センター
-
渕山 律子
中央農業総合研究センター
-
松尾 和之
国際農林水産業研究センター
-
大下 泰生
中央農業総合研究センター
-
大下 泰生
中央農業総合研究セ
-
平藤 雅之
北海道農業研究センター
-
渡辺 好昭
中央農業総合研究センター
-
岡田 泰明
中央農業総合研究センター
-
吉田 智一
中央農業総合研究センター
-
平藤 雅之
北海道農業研究センター芽室研究拠点
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