超臨界CO2-エントレーナー法による多孔性シリカからのテンプレート剤抽出
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概要
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超臨界CO2-エントレーナー法による多孔性シリカからのテンプレート剤抽出について,操作因子やエントレーナー種の最適化および抽出メカニズムの解明を目的とし,温度80℃,圧力8–14 MPa,エントレーナーとしてメタノール,エタノール,1-プロパノールを用いて抽出時間1–7 hの条件下で実験を行った.その結果,2種のテンプレート剤のうちEO20–PO70–EO20トリブロックコポリマー(EPE)が先に抽出された後,Cetyltrimethylammonium hydroxide(CTAH)が抽出されるメカニズムを明らかにした.続いて抽出圧力の影響の検討から,ある圧力で除去率が極大値を示すことがわかり,これは系内の相状態から説明可能であった.また,エントレーナー種の影響を検討した結果,メタノール>エタノール>1-プロパノールの順に除去率が増加し,この傾向はエントレーナー分子のサイズ,そして極性の傾向と矛盾しなかった.さらに,有機溶媒抽出法による実験と比較した結果,除去率や表面物性値の観点で超臨界CO2-エントレーナー法の優位性が示された.最後に,抽出に与える細孔径の影響では,細孔径の大きさにより除去率の圧力依存性が変化することを確認した.以上より,適切な圧力条件やエントレーナー種を選定することでほぼ100%のテンプレート剤抽出を達成できた.また,抽出結果に系内の相状態やエントレーナー種の物性が大きく影響することが明らかになった.
著者
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佐藤 善之
東北大学大学院工学研究科
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大田 昌樹
東北大学大学院工学研究科
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宇敷 育男
東北大
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猪股 宏
東北大学大学院工学研究科化学工学専攻
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宇敷 育男
東北大学大学院工学研究科化学工学専攻
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寺谷 彰悟
東北大学大学院工学研究科化学工学専攻
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