カテキンおよびテアフラビンの構造と溶血毒阻害作用について

概要

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黄色ブドウ球菌α毒素およびコレラ溶血毒に対するカテキン類およびテアフラビン類の構造とその阻害作用との関係を検討した。左旋性のカテキン類のなかで3位にガロイル基をもつ(-)カテキンガレート(-Cg), (-)エピカテキンガレート(-ECg), (-)エピガロカテキンガレート(-EGCg)は両毒素に対して強い阻害活性を示した。遊離型カテキンである(-)カテキン(-C), (-)ガロカテキン(-GC), (-)エピカテキン(-EC), (-)エピガロカテキン(-EGC)のα毒素に対する阻害作用は弱かつた。コレラ溶血毒に対する(-)C, (-)GCの阻害活性はまつたく認められなかつたが,(-)EC, (-)EGCは弱いながら活性を示した。右旋性のカテキン類のなかでは(+)カテキン(+C), (+)ガロカテキン(+GC)に比べそれらの異性体である(+)エピカテキン(+EC), (+)エピガロカテキン(+EGC)の溶血毒阻害活性は強かつた。テアフラビン類の場合,α毒素およびコレラ溶血毒に対する阻害作用の強さはテアフラビン構造内のガロイル基の数に比例した。これらの結果から溶血毒阻害作用の強さはガロイル基の存在およびカテキン分子内の立体配置が関与するとともに溶血毒の分子構造などの関与が示唆された。
日本細菌学会の論文