黄色ブドウ球菌No.100の変異株が産生するエンテロトキシンAの精製とその性状
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概要
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多量の高純度ブドウ球菌エソテロトキシンAを得るために, <I>Staphylococcus aureus</I> 13 N-2909株を用い, 4%NZ-amine培養上清を出発材料として, Amberlite CG-50およびCM-cellulose chromatography とSephadex G-75のゲル炉過によつて本毒素の精製を試み, 得られた精製毒素の物理化学的性状を検討した。<BR>上記培養上清80<I>l</I>から, 3段階だけの精製操作により99%以上純化された精製毒素380mgが得られ, その回収率は約36%であつた。<BR>精製毒素は核酸炭水化物および脂質を含まず, 277nmに極大吸収, 250nmに極小吸収をもつ典型的なタンパクであつた。精製毒素の沈降定数 (<I>S</I><SUB>20w</SUB>)は2.71S, 分子量はSephadex G-75のゲル炉過で26,000, SDS-polyacrylamidege1電気泳動で27,000, 沈降平衡法で30,000と推定された。精製毒素はisoelectrofocusingでpH7.0とpH6.5の2つの大きな画分とpH8.0の小さな画分に分画された。<BR>精製毒素の血清学的反応性は60C3時間, および80C5時間の加熱によつて50%, 100C2時間の加熱によつて完全に失活した。この50%失活が80Cより60Cでより早く起ることが注目された。<BR>精製毒素は214のアミノ酸残基から成り立つていることが推定された。
- 日本細菌学会の論文
著者
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五十嵐 英夫
東京都立衛生研究所
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五十嵐 英夫
東京都立衛生研究所微生物部
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寺山 武
東京都立衛生研究所
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五十嵐 英夫
東京都立衛生研究所微生物部細菌第二研究科
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五十嵐 英夫
東京都衛研
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山田 澄夫
東京都立衞生研究所微生物部
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五十嵐 英夫
東京都立衞生研究所微生物部
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寺山 武
東京都立衞生研究所微生物部
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