甘藷の生長・肥大に関する生化学的研究 : (第4報) 塊根生育中のL-アスコルビン酸,デヒドロL-アスコルビン酸及び2,3-ジケトL-グロン酸の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
甘藷(農林1号及び沖繩100号)生育中における塊根のL-アスコルビン酸(ASA),デヒドL-アスコルビン酸(DHA)及び2,3-ジケトL-グロン酸(DKG)の変化を研究して次の結果を得た. (1) 農林1号及び沖繩100号の両品種ともに,殆んど同様の経過を示すが,総ビタミンC, ASA及びDHAは生育中の変動がかなり著しい. (2) 総ビタミンC含量は,生育の初期から一方的に減少し, 9月初旬に最小になり,この時期をすぎると直ちにピークを示す. (3) 還元型ビタミンC (ASA)は8月4日に最小を,酸化型ビタミンC (DHA)は8月4日及び9月15日に, 2つのピークを示した. (4) 総ビタミンC, ASA, DHA含量ともに,生育末期にはかなり安定し, DHAは極めて少量である. (5) DKGは生育の全期間にわたり,殆んど変化が認められなかった. (6) 両品種ともに生育中の総ビタミンC含量と,β-アミラーゼの活性度との間には,逆の傾向が見られ,生育中の甘藷において,ビタミンCによるβ-アミラーゼ力の阻害が行われる可能性を示した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- 甘藷の生長・肥大に関する研究(第7報) : 肥培条件の異なる生育と澱粉の無機成分およびフォトペーストグラフィー
- 甘藷の生長・肥大に関する生化学的研究(第5報) : 澱粉のアミロース含量,ヨード青価,ヨード澱粉吸光曲線及び無機成分の変化
- 甘藷の生長・肥大に関する生化学的研究 : (第4報) 塊根生育中のL-アスコルビン酸,デヒドロL-アスコルビン酸及び2,3-ジケトL-グロン酸の変化
- 甘藷の生長・肥大に関する生化学的研究 : (第3報)塊根生育中のフォスフォリラーゼ・β-アミラーゼ・フォスファターゼ及びpHの変化
- 澱粉の分離精製に関する研究 : (第1報)各種澱粉の品質とその無機成分との関係について(その1)
- ブドウ糖の果糖への異性化に関する研究(第3報) : 陽イオンが異性化率に与える影響
- ブドウ糖の果糖への異性化に関する研究(第2報) : 各種アルカリ試薬による異性化率の検討
- ブドウ糖の果糖への異性化に関する研究(第1報) : 水酸化ナトリウムによる異性化の基礎条件の検討
- アンスロン反応を中心にした炭水化物の比色定量法
- 2, 4-Dinitrophenylhydrazineによる植物組織及び加工食品中のL-Ascorbic acid, Dehydro-L-ascorbic acid, 2, 3-Diketo-L-gulonic acidの分別定量法
- ブドウ糖の果糖への異性化に関する研究(第4報) : 中間工業連続異性化反応装置の試作とその運転条件の决定
- デンプンの科学とデンプン粒の特性