甘藷の生長・肥大に関する生化学的研究 : (第3報)塊根生育中のフォスフォリラーゼ・β-アミラーゼ・フォスファターゼ及びpHの変化
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概要
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甘藷塊根(農林1号及び沖繩100号種)の生育中のβ-アミラーゼ・フォスフォリラーゼ・フォスファターゼの活性度及び水素イオン濃度の変化を追跡して次の結果を得た. (1) 甘藷塊根のβ-アミラーゼ活性度は生育の初期はかなり低く,これが生育に伴い急激に増加し,8月下旬乃至9月中旬にピークとなる. (2) 塊根のβ-アミラーゼ活性度は,生育の全期間を通じ,沖繩100号種の方が農林1号種より高い値を示した. (3) フォスフォリラーゼの活性度も,両品種ともに生育の初期には極めて低いが,生育に伴って急激に増加した. (4) β-アミラーゼとフォスフォリラーゼには,生育期間中を通じて拮抗的関係が認められた. (5) フォスファターゼの活性度は,両品種共にβ-アミラーゼのピークをすぎた頃から増加の傾向を示した. (6) pHは両品種ともに生育の初期に最も低く,その後徐々に増加し,成熟期に安定した.また沖繩100号種の方が農林1号種に比してかなり低い値を示した. 本研究の遂行にあたり貴重な御助言をいただいた東京大学農学部中村道徳助教授に心から謝意を表する.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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