甘藷の生長・肥大に関する生化学的研究(第5報) : 澱粉のアミロース含量,ヨード青価,ヨード澱粉吸光曲線及び無機成分の変化
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概要
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甘藷塊根の生育中に各種の体内成分が変化して,特にその生育の初期のメタボリズムが大きく変動することがこれまでの実験結果から認められたので,生育の各時期における甘藷塊根から澱粉を分離して,その化学的性質について研究して次の結果を得た. (1)アミロース含量は生育のごく初期に最も多く, 8月中旬の生育の最も旺盛の時に急減するが,その後はほとんど変化が認められない. (2)ヨード青価もほぼアミロース含量と同様の変化を示した.またヨード澱粉吸光曲線も,特に異状は認められず,ヨード青価と密接に関連した曲線が得られたが,その吸光度は生育の時期により異り,その様相は農林1号,沖縄100号の晶種によって異る傾向が認められた. (3)アミロース含量・ヨード青価ともに,生育の初期には農林1号種が沖繩100号種よりいくらか大であったが, 9月初旬より逆になった. (4)無機成分の中でカリウム,カルシウム含量は生育の時期によって変動しなかったが,燐含量は生育の進むにつれて,明らかな増加が認められた.また,農林1号種の燐含量は,常に沖繩100号種より多かった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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