わさびに関する研究 : (第4報) 配糖体Sinigrinの定量法
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概要
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(1) わさび,黒からし等の辛味成分の母体である配糖体sinigrinが,アルカリ性フェリシアン化カリ溶液と反応して之をほぼ定量的に還元する性質を有することを見出した. 又sinigrinがその構造の一部にスルフォン基をカリ塩の型でもっているのでsinigrin抽出液をイオン交換樹脂で処理してsinigrinを一フラクションに定量的に集め得ることを認めた. 之等の性質を用いて,わさび,黒からし等植物体中のsinigrin定量について検討し定量法を設定した.回収率98〜101%.所要試料はわさび根茎の場合0.5〜1g,黒からし粉で0.1〜0.2gである. (2) 本定量法によりわさび植物体中のsinigrinを定量した. 品種によっても異るが,根茎のsinigrin含量は新鮮物中1〜1.6%(乾物中5〜7%)であった.尚,根茎でもその部位並に組織別により,含量が可成り異ることを認めた. 葉の含量は根茎の1/4〜1/5,茎(葉柄)の含量は1/8〜1/10(何れも新鮮物で比べ)であった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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内山 正昭
静岡大学農学部
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長島 善次
静岡大学農学部
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宇津 木靖
静岡大学農学部農芸化学教室
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長島 善次
東京大學農學部農藝化學教室
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長島 善次
静岡大学農学部農芸化学教室
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長島 善次
静岡大学農学部農芸化学科
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