緑茶火入れ中における香気の形成と変化
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概要
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火入れ茶特有の加熱臭成分を解明するため,緑茶火入れ中における香気成分の変化をGCおよびGC-MS法によって調べた.その結果,緑茶火入れ中に荒茶の主要香気成分が少し減少し,貯蔵中に生成するオフ・フレーバー成分が著しく減少することを認めた.また,ピラジン類,ピロール類,フラン類, 3, 7-dimethyl-1 ,5, 7-octatriene-3-olおよびphenylacetaldehydeなどが火入れ中に生成した.このうち,主要生成物はmethylpyrazine, 2, 5-dimethylpyrazine, 1-ethylpyrrole-2-aldehyde, 2-acethylpyrro eおよびfurfuralなどで,これら化合物が緑茶の火入れ臭の原因物質と推定された.下級煎茶は,上,中級煎茶に比較して,生要ピラジン類およびピロール類の生成が少なく, 3, 7-dimethyl-1, 5, 7-octatriene-3-olおよびphenylacetaldehydeが多く生成した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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