酢酸からのL-グルタシン酸生合成における親株とオレイン酸要求菌の差異
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概要
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(1) L-グルタミン酸生産菌Brevibacterium thiogenitalisのオレイン酸要求菌は酢酸を炭素源とする培養で親株の2倍近いL-グルタミン酸を蓄積した. (2) 休止細胞による酢酸からのL-グルタミン酸生成量にも同様の差が認められた.しかしグルコースを基質とした場合の差はわずかであった. (3) 酢酸からのL-グルタミン酸生合成に必須な酵素である酢酸キナーゼおよびイソクエン酸リアーゼのレベルがオレイン酸要求菌では親株の約2倍に高まっていた. (4) L-グルタミン酸の細胞透過性および末端呼吸系の機能には差が認められなかった. (5) オレイン酸要求性を失ってビオチン要求性に復帰した変異株の大多数は,親株と同程度かそれ以下のL-グルタミン酸蓄積性を示すにすぎなかった. (6) 分離直後に高いL-グルタミン酸蓄積能を示す特異な復帰変異株が得られたが,その性質は不安定で時間の経過とともに蓄積性は親株のレベル以下に低下した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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杉山 良雄
武田薬品工業高砂工場
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北野 一昭
武田薬品工業株式会社高砂工場
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神崎 俊彦
武田薬品工業株式会社・研究所
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北野 一昭
武田薬品工業(株)中央研究所
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神崎 俊彦
武田薬品工業
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神崎 俊彦
武田薬品工業株式会社高砂工場
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杉山 良雄
武田薬品工業株式会社高砂工場
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