グルコース-酢酸混合基質からのグルタミン酸生合成におけるビオチンの役割
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概要
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(1) Brevibacterium thiogenitalisから誘導されたオレイン酸要求株D-248をビオチン過剰(150μg/l以上)存在下で,グルコースと酢酸をモル比で1:2に混合して培養すると,グルタミン酸蓄積量が顕著に向上し,対炭素源当りの重量換算で実に70%の収率に達した.しかし,ビオチン添加量が少ないと,酢酸が残存し,ピルビン酸が著量蓄積した. (2) 乳酸やピルビン酸を炭素源とした培養でも,ビオチンとして100μg/l以上の添加が必要であり,さらに,休止細胞反応においても,ビオチンの添加効果が認められた. (3) 粗酵素液中に,ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性と同時にピルビン酸カルボキシラーゼ活性が検出された.ピルビン酸カルボキシラーゼ活性は,培地中に添加したビオチン量の増加に応答を示した. これらの結果より,ビオチンがピルビン酸カルボキシラーゼ活性を介して,グルタミン酸生合成に直接関与していることが明らかとなった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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杉山 良雄
武田薬品工業高砂工場
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鐘ヶ江 幸洋
武田薬品工業(株)フード・ビタミン事業部
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中対 勇
武田薬品工業(株)フード・ビタミン研究所
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神崎 俊彦
武田薬品工業株式会社・研究所
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神崎 俊彦
武田薬品工業
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神崎 俊彦
武田薬品工業株式会社, 研究開発本部
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鐘ヶ江 幸洋
武田薬品工業株式会社, フード・ビタミン研究所高砂研究室
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杉山 良雄
武田薬品工業株式会社, 応用技術研究所
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