大豆オリゴ糖を原料とした食酢の製造およびヒト腸内フローラに及ぼす影響
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概要
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大豆オリゴ糖を原料として食酢を製造し,その糖組成,主要糖成分であるMnt, Mlbのin vitroでの資化性試験およびin vivo摂取試験を行い以下の結果を得た. 1) 大豆オリゴ糖酢中のSta, Rafは,アルコール発酵過程でそれぞれMnt, Mlbに変換した.その後の酢酸発酵では,糖組成にはほとんど変化は認められなかった. 2) Sta, Rafは,食酢中で容易にMnt, Mlbへと分解した. 3) In vitro試験で,Mnt, Mlbは, Sta, Rafと同様に, Bifidobacteriumに選択的に資化されることがわかった. 4) 大豆オリゴ糖酢の摂取試験により,1日20ml摂取すればBifidobacteriumの菌数は有意に(p<0.01)増加することが認められた. 以上のことから,大豆オリゴ糖を原料とした食酢は,MntとMlbを主要糖として含み,通常の料理摂取量でビフィズス菌を増加させる効果のあることがわかった.本研究は,1991年度日本農芸化学会大会で発表した.
著者
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小橋 恭一
富山医科薬科大学
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沖 裕治
タマノ井酢 開発室
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久保田 昭正
タマノ井酢 開発室
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沖 裕治
タマノ井酢株式会社第2研究所
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小橋 恭一
富山医科薬科大学薬学部
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橋本 香
タマノ井酢株式会社第2研究所
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松本 貴至
タマノ井酢株式会社第2研究所
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江本 三男
大塚食品株式会社琵琶湖研究所
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