抗菌性物質存在下での高圧処理がトマトジュース中の菌の挙動に与える影響について
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概要
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加熱殺菌にかわる新しい方法としての高圧処理は,それのみでは殺菌効果や装置面で限度があることから,抗菌性物質の存在下での加圧,すなおち,抗菌性物質と高圧処理との併用を検討した.そのため,トマトジュースにBacillus coagulansを接種し,高圧処理による殺菌効果とともに,数種の抗菌性物質の併用による殺菌効果を検討した. 殺菌の時間経過は,加熱殺菌では一次反応に従い,その表示方法(X軸に加熱時間,Y軸に生残菌数の対数)では直線関係が得られるが,高圧による殺菌効果では,X軸も加圧時間の対数であらわす両軸対数表示によりはじめて直線関係が得られた.処理圧力として400MPaを用いると,初発菌数の減少開始には少なくとも数分が必要であり,処理圧力が高くなるに従って,この時間が短くなり, 500MPa以上の加圧処理では圧力上昇中に菌数の減少が認められた. 200〜600MPaの加圧処理では,いずれの圧力でも両軸対数表示で直線関係が得られたが,その傾きは処理圧力が高いほど大きくなった. 抗菌性物質の存在下での加圧の場合,ポリリジンとプロタミンでは,加圧開始から初発菌数が減少し始める時間が長くなり,併用効果は認められなかったが,ハト麦もやし抽出物ではその添加量に関係なく,併用効果が認められ,これが存在するほうが強い圧力殺菌が得られた.これはハト麦もやし抽出物中のCoixinden Aの殺菌作用が高圧下でより有効に作用するものと考えられた.
著者
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石黒 幸雄
カゴメ 総研
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石黒 幸雄
岐阜大学大学院連合農学研究科
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岡本 賢治
岐阜大学大学院連合農学研究科
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坂本 秀樹
岐阜大学大学院連合農学研究科
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園田 洋次
岐阜大学大学院連合農学研究科
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佐藤 哲
岐阜大学大学院連合農学研究科
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岡本 誉充
岐阜大学大学院連合農学研究科
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稲熊 隆博
岐阜大学大学院連合農学研究科
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