グリシンからL-セリンを生産する微生物の選択
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概要
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L-セリン生合成の前駆体であるDL一グJセリン酸10mg/ml,L-スレオニン10mg/mlまたはグリシン5mg/mlを各々添加した3種の培地で,細菌,酵母,放線菌,カビの野生株および変異森,合計1416株を培養し,L-セリンを培地中に蓄積する菌株の選択を行なった.この結果,試験した菌株中にはDL-グジセリン酸,L-スレオニンからは著量のL-セリンを生産する菌株はみいだせなかったが,グリシンからL-セリン約1mg/ml生産する菌株として,炭化水素資化性菌である,Nocardia butanicaATCC 21197,Nocardia paraffinicaATCC 21198,Brevibacterium ketoglutamicumATCC 15587を選択した.また使用菌株の大多数は,培地中に添加したL-セリン5mg/mlを90%以上,グリシン以外の物質に代謝分解したが,上記のL-セリン生産株3株はいずれもL-セリン分解能の弱い(分解能40%以下)6株中に含まれた.またL-スレオニンからα-アミノ酪酸,レイソロイシン,グリシンをそれぞれ生成する菌株もみいだされた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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