担子菌におけるアミラーゼ,セルラーゼおよびキシラナーゼ生産性の分布
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概要
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(1) マツタケ目には,アミラーゼ活性の高い菌株はない.ヒダナシタケ目の場合も活性の高い菌株はあまり多くないが,それらはほとんどTrametinaeとCoriolinaeに集中している. (2) アミラーゼ活性の高い菌株の多くは,酸性プロテアーゼ活性も高い. (3) アミラーゼ生産のC源として,澱粉を使用するよりしょ糖を用いる方が良い例が多い. (4) トレハラーゼ活性の高いものはアミラーゼ活性も高いことが多く, T. kusanoanaは両活性とも特に高い例である.これに対し,トレハラーゼ活性は高いがアミラーゼ活性はほとんど認められないものとして, P. placentaとマツタケ目の菌株をあげることができる. (5) 担子菌の場合, Cx活性の高い菌株は多いがC2活性の高いものは少ない. C2活性は培地にセルロース粉末を添加した場合に生成され,誘導酵素と悪われる. (6) C2活性の高いものはCx活性も高い場合が多いが,たとえばI. lacteus, S. cubensis, P. adiposaのようにCx活性に比べてC2活性の著しく高いものもある. (7) 担子菌にはキシラナーゼ活性の高い菌株が多く,特にヒダナシタケ目では検討した菌株のすべてが高い活性を示した.特に活性の高いものは, Trametinae, Coriolinae, Coprinaceaeに多い.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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