カンキツの果汁に関する基礎的研究 : (第4報)果実発育期間中の果汁粘度の変化
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概要
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果汁粘度が果実の食味と密接な関係のあることから, 幼果期から成熟期までの変動について実験を行った. その結果, 次のような事がわかった.(1) 果汁粘度の変動には一定のパターンが認められ, 果実の発育中, 細胞肥大期の前半の増加期には果汁粘度は8月初旬までかなり急速に増加する果汁粘度上昇期, その後の細胞肥大期後半にはいると果汁粘度は早生種で9月中旬まで, 普通種で9月下旬〜10月初旬まで減少する果汁糖度下降期, ついで成熟期には果汁粘度は徐々に上昇しはじめる果汁糖度再上昇期の3期に分けることができる. また果汁粘度の変換期は果実の形態学的, 組織学的変換時期とよくにていた.(2) 1974, 1975両年の果汁粘度の変動パターンを比較すると, 1974年の方が早生種, 普通種ともにやや,果汁粘度が高く, また同一品種でも系統によって相違がみられたが, その変動のパターンはよくにていた. このような年度別, 品種別の果汁粘度の相違は品種や, 園地の立地条件, 栽培条件, その年の気象条件などいろいろな条件により生じるものと考えられた.(2) 各採取日の前後間, および各生育期別に期末採取日とそれ以前の採取日間に正の相関関係が認められ,成熟期に果汁粘度の高いものは幼果期においても高く,食味に関する果実管理の上で有用な指標に利用できるのでないかと考えられた.
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