キュウリの葉と根の硝酸還元酵素活性の日変化
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概要
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キュウリ久留米落合H型の葉と根のin vivoおよびin vitro硝酸還元酵素活性の自然光下での日変化を調べた.<BR>根の硝酸還元酵素活性はin vivo, in vitroともに日変化しなかった. これに対して葉の硝酸還元酵素活性は明確な日変化を示し, in vitro活性は日中には日射量にほぼ比例して変動し, 日没後は変化せずに低い値で推移した. 一方, in vivo活性の日変化はin vitro活性の日変化と一致せず, 正午頃に最低になったあと次第に高まり, 日没頃に最大になってその後は翌朝まで次第に低下した. 一定照度の人工光下で栽培したキュウリの葉のin vivo硝酸還元酵素活性も消灯後に最大になるという日変化を示した.<BR>葉の硝酸態窒素濃度は午前中から次第に低下して午後3時頃に最低になり, その後は翌朝まで緩やかに増大した. 葉の硝酸態窒素濃度を代謝プールと貯蔵プールに分けて調べたところ、代謝プールは正午から午後3時にかけてはほとんどゼロとなった. この時間帯では, 活性測定培地から硝酸塩を除いた場合のin vivo活性は著しく小さかった.<BR>根の硝酸還元酵素活性はin vivo, in vitroともに葉の活性より低く, キュウリでは葉が主要な硝酸還元の場であると考えられた.<BR>以上の結果から, 葉における硝酸還元は正午頃に最も盛んになるという日変化をしていると考えられるが, in vivo活性が日中に最低になる理由についてはさらに検討する必要がある.
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