キュウリの光合成, 根への光合成産物の転流とその代謝に及ぼす高根温の影響
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概要
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25°Cから38°Cの根温で生育したキュウリ幼植物の光合成速度および25QCと38°Cの根温で生育したキュウリの根への光合成産物の転流とその代謝を調べた.光合成速度は, 根温25°C, 32°Cと35°Cの間に大きな違いがなく, 38°Cでは, 処理後5日目には他の処理区とあまり違わなかったが, 9日目になると非常に低下した. また, 38°C区の葉の蒸散速度とクロロフィル含有量も, 光合成速度と同じように9日目に著しく低下した.<BR>一方, 光合成産物の根への転流率は25°C区より38°C区のほうが高く, 38°Cで生育している根は相対シンク強度が高かった. しかし, 38°C区の根は呼吸による光合成産物の損失廿が25°C区より多く, このため両区の根の光合成産物の蓄積量には大きな差がなかった.高根温は, 根組織に蓄積した<SUP>14</SUP>C-光合成産物のエタノール不溶性分画への分配を阻害し, 可溶性分画への分配を増加することが認められた. 可溶性分画においては, 25°Cでは<SUP>14</SUP>C-光合成産物は可溶性糖, 有機酸, アミノ酸にほぼ均等に分配されたのに対して, 38°Cでは可溶性糖, 特にラフィノースの<SUP>14</SUP>C量が著しく高かった.<BR>以上の結果より, 高根温によるキュウリ根の生長抑制と機能の低下には, 根における光合成産物の代謝の異常が密接に関与していると考えられる.
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