カンキツプロトプラストにおけるエレクトロポーレーションによる形質転換
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概要
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アグロバクテリウム法では形質転換が成功していない太田ポンカン (<I>Citrus retiulata</I> Blanco) について,減衰波を用いたエレクトロポーレーションによる遺伝子導入法の適用を試みた。ここでは, 再分化能をもつカルスから作成したプロトプラストに, カリフラワーモザイクウイルスの35SプロモーターとGUS構造遺伝子とのキメラ遺伝子 (pBI221) の導入を行った。<BR>エレクトロポーレーションに関与するいくつかのパラメーターについて, GUS遺伝子のトランジェント発現を蛍光分光光度計で調査した。その結果, 5.5μFのコンデンサーを用いた場合, 400V•cm<SUP>;-1</SUP>から活性が上昇し, 最大は1,200V•cm<SUP>;-1</SUP>であった。また,0.2~27.5μFのコンデンサーでは, 5.5μFのものが最も高い値を示した。加えたDNAの濃度も活性に影響を与え, 100μg•ml<SUP>-1</SUP>までは直線的に活性が増加したが, 200μg•ml-1では活性は低下した。ヒートショックの効果をみたところ, 49°C, 5minで最もトランジェント活性が高かった。また, CaCl<SUB>2</SUB>の濃度は0.1mMで最も活性が高かった。トランジェント活性の測定用とした以外のプロトプラストは, 蕉糖0.15M, グルコース0.45M, 0.25%ゲルライトを含む液に懸濁し, 2×MS, 蕪糖0.15M, グルコース0.45Mを含む培養液中で固化させて培養した。<BR>培養2ヵ月後, 出現してきたカルスのGUS活性を組織化学的に調査したところ, いくつかのカルスコロニーで青く染まるものが認められた。この結果, 今までアグロバクテリウム法では形質転換の成功していないマンダリンなどの種•品種においても, エレクトロポーレーション法によって安定的な形質転換体を作出できることが明らかになった。
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