米国せっけん・洗剤工業会技術報告書 : 洗浄剤と誤飲・誤用事故 (その1)
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概要
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ここで紹介する資料は, 米国せっけん・洗剤工業会 (SDA : The Soap and Detergent Association) の医学研究委員会特別グループがまとめた技術報告書 (原題 : Cleaning Products and Their Accidental Exposure) を翻訳したものである。1967年に本書の初版が発行されてから, 米国内で広く活用され1989年9月には第6版をかぞえるに到っている。私共は, 当初から洗浄剤類の誤飲・誤用に対する応急処置法の参考としてきたが, 第6版の発行を機会に, SDA宛に日本で紹介したい旨を問い合わせたところ, 快諾が得られたのでここに紹介させていただくこととなった。<BR>医者や健康専門家を対象として書かれている本書の特徴は, 洗浄剤の誤飲・誤用暴露時のリスク (障害) にどのように対応すれば, そのリスクを小さくすることができるかというリスクマネージメントの考え方に基づいている点である。すなわち, まず多種多様な洗浄剤の化学的及び生物学的性質について概説し, 次に誤飲・誤用事故が起こった時に生じるリスクの種類とその程度を紹介し, そのリスクに応じた応急処置をどのようにすべきかを述べている。<BR>本報告書のはじめに, この報告書が「一般的な解説である」ことを強調している。その一般的な解説故に, 日本で市販されている多種多様な洗浄剤類の誤飲・誤用暴露時の応急処置法にも適用できるものであり, 大変参考になるといえる。<BR>SDA の報告書は, 右表のような構成になっているが, 本号以下, 3回に分けて紹介し, 関係各位の御参考に供したい。<BR>なお, 本文では暴露 (Exposure) という言葉が, よく使用されているが, SDA は「暴露とは, 摂取したり, 眼に入ったり, 吸いこんだりあるいは皮膚に付いたりして, 物質がヒトに接触すること」と定義している。
- 社団法人 日本油化学会の論文
著者
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大場 健吉
ライオン株式会社研究開発本部
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大場 健吉
ライオン(株)
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武井 玲子
ライオン株式会社生物科学研究所
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佐道 房枝
ライオン株式会社生物科学研究所
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大場 健吉
ライオン株式会社生物科学研究所
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