多不飽和脂肪酸メチルエステルの均一系選択水素添加
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概要
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リノール酸メチルの均一系水素化をRuCl<SUB>2</SUB> (PPh<SUB>3</SUB>) <SUB>3</SUB>, RuH<SUB>2</SUB> (PPh<SUB>3</SUB>) <SUB>4</SUB>, RhCl (PPh<SUB>3</SUB>) <SUB>3</SUB>, RhH (PPh<SUB>3</SUB>) <SUB>4</SUB>, [RhCl (シクロオクテン) <SUB>2</SUB>] <SUB>2</SUB>を触媒とした系で研究した。RuCl<SUB>2</SUB> (PPh<SUB>3</SUB>) <SUB>3</SUB>を触媒とした系は, 穏和な条件下で<I>cis</I>-モノエンへの高い選択性を示した。RhCl (PPh<SUB>3</SUB>) <SUB>3</SUB>を触媒とした系でもトランス二重結合の生成はわずかであったが, モノエンへの選択性は少し低かった。リノール酸メチルの水素化の反応機構を推定するため, <I>trans</I>-9, <I>trans</I>-12-オクタジエン酸メチル, <I>cis</I>-<I>trans</I>及び<I>trans</I>-<I>trans</I>共役オクタジエン酸メチル, オレイン酸メチル, エライジン酸メチルの水素化も検討された。RuCl<SUB>2</SUB> (PPh<SUB>3</SUB>) <SUB>3</SUB>を触媒とする系においては, リノール酸メチルはまず共役化し, 続いてその共役ジエンが1, 4-水素付加により<I>cis</I>-モノエンへ還元される, というのが主な反応経路であろうと推定される。一方, RhCl (PPh<SUB>3</SUB>) <SUB>3</SUB>を触媒とする系においては, リノール酸メチルは主として, 異性化反応を伴わない1, 2-水素付加により還元されるものと推定される。
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