五環性トリテルペノイド成分に富むおにのげしのベンジン抽出油

概要

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おにのげし (きく科) のベンジン抽出物は五環性トリテルペノイド成分に富み, 遊離の五環性トリテルペンアルコール (9.8%), それらのアセタート (16.1%) 及び長鎖脂肪酸エステル (4.6%) で, その和は全抽出物の30.5%をも占めていた。遊離トリテルペンアルコール混合物の組成はα-アミリン (4%), β-アミリン (8%), ゲルマニコール (6%), Ψ-タラクサステロール (17%), タラクサステロール (36%), ルペオール (28%) 及び未同定成分 (1%) であり, トリテルペンアセタート混合物の組成はα-アミリンアセタート (3%), β-アミリンアセタート (8%), ゲルマニコールアセタート (5%), Ψ-タラクサステロールアセタート (19%), タラクサステロールアセタート (21%) 及びルペオールアセタート (44%) であった。一方, 長鎖脂肪酸エステルより得られたトリテルペン成分としてはΨ-タラクサステロールのみが検出された。以上の結果は, おにのげし油が五環性トリテルペノイドを得る優れた原料であることを示すものである。
社団法人日本油化学会の論文