ミミズ (<I>Pheretima</I>sp.) における非還元末端にグルコースを有する新型のNeogala系スフィンゴ糖脂質
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概要
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環形動物のミミズの糖脂質成分については, 既に, <I>Pheretima</I> sp.に属する<I>Pheretima hilgendorfi</I>のものを報告しているが, 中性糖脂質はNeogala (Gal β1-6 Gal) 糖脂質が主成分であって, 非還元末端にマンノースを有するものも存在している。又, ホスホコリンを含む両性イオン型糖脂質も存在しており, 極めて特徴的な糖脂質領域を形成している。本研究では, <I>P.hilgendorfi</I>と同属種の<I>Pheretima aspergillum</I>の糖脂質成分を調べ, Neogala糖脂質が主成分であることを明らかにすると共に, 糖鎖の非還元末端にグルコースを有する3種類の新型のNeogala糖脂質が存在することを見いだした。それらの構造を, 構成成分分析, メチル化分析, 部分加水分解方, 陰イオンFAB-MS分析, <SUP>1</SUP>H-NMR分析によって, Glcα1-4 Galβ1-6 Galβ1-Cer (glucosylneogalabiaosylceramide), Glcα1-4 Galβ1-6 Gαlβ1-6 Gαlβ1-Cer (glucosylneogalatriaosylceramide), Glc α1-4 Ga1β1-6 (Glcα1-4) Galβ1-6 Galβ1-Cer (diglucosylneogalatriaosylceramide) と決定した。セラミド部分の分子種は, 3種類共, 脂肪酸 : C<SUB>22 : 0</SUB>-, C<SUB>24 : 0</SUB>-酸;スフィンゴイド塩基 : C<SUB>18 : 1</SUB>-, br C<SUB>18 : 1</SUB>-ジヒドロキシスフィンゴイドが主成分であった。本研究と既に発表している結果から, ミミズ (<I>Pheretima</I> sp.) の糖脂質組成の体系を示した。
著者
-
杉田 陸海
滋賀大学教育学部化学教室
-
稲垣 冬彦
東京都臨床医学総合研究所生理活性教室
-
太田 聡
滋賀大学教育学部化学教室
-
森川 亜紀
滋賀大学教育学部化学教室
-
鈴木 明身
東京都臨床医学総合研究所
-
鈴木 實
東京都臨床医学総合研究所
-
市川 さおり
バリアンジャパンリミテッドNMR応用部
-
DULANEY John
バリアンジャパンリミテッドNMR応用部
-
串田 克彦
バリアンジャパンリミテッドNMR応用部
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