寄生性線虫類の両性イオン型糖脂質 (第I報) : : ブタカイチュウ (<I>Ascaris suum</I>) の<I>N</I>-アセチルグルコサミン-6-ホスホコリン含有スフインゴ糖脂質群の化学構造
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概要
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寄生性線虫類, ブタカイチュウ (<I>Ascaris suum</I>) には, <I>N</I>-アセチルグリコサミン-6-ホスホコリンを含有する新しい両性イオン型糖脂質の一群が存在する。それらは, TLC分析によって, 糖, リンおよびコリン検出試薬のいずれにも陽性を示し, 少なくとも7種類の成分から成る。これらの7種類のうち, TLC上での移動度の大きい4種類 (PGL<SUB>1</SUB>〜PGL<SUB>4</SUB>) を単離, 精製し, それらの化学構造を, PGL<SUB>1</SUB> : cholinephosphoryl→6GlcNAc β 1-3Man β 1-4Glc β 1-Cer, PGL<SUB>2</SUB> : GalNAc β 1-4 (cholinephosphoryl→6) GlcNAc β 1-3Man β 1-4Glc β 1-Cer, PGL<SUB>3</SUB> : Gal α 1-3GalNAc β 1-4 (cholinephosphoryl→6) GlcNAc β 1-3Man β 1-4Glc β 1-CerおよびPGL<SUB>4</SUB> : Gal β 1-3Gal α 1-3GalNAc β 1-4 (cholinephosphoryl→6) GlcNAc β 1-3Man β 1-4Glc β 1-CerとGal β 1-6Gal α 1-3GalNAc β 1-4 (cholinephosphoryl→6) GlcNAc β 1-3Man β 1-4Glc β 1-Cerの混合物, と決定した。化学構造の決定は, 糖, 脂肪酸, スフィンゴイド組成分析, フッ化水素酸分解, 鉱酸分解, メチル化分析, 酵素的加水分解, TLC-免疫染色およびMALDI-TOF MS (マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置) 分析によって行った。これらの両性イオン型糖脂質のセラミド組成は, 脂肪酸が2-ヒドロキシ-C22 : 0酸および2-ヒドロキシ-C24 : 0酸を, スフィンゴイド塩基がイソ-C17-スフィンゴシンおよびイソ-C17-スフィンガニンを主成分としていた。
著者
-
杉田 陸海
滋賀大学教育学部化学教室
-
栗本 綾子
滋賀大学教育学部化学教室
-
Dulaney John
Department Of Medicine Division Of Nephrology The University Of Tennessee
-
川上 泰
麻布大学環境保健学部
-
川上 泰
麻布大学環境保健学部医動物学研究室
-
MIYAKE Atsushi
滋賀大学教育学部化学教室
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