汽水棲環形動物の酸性スフィンゴ糖脂質: : イトメ (<I>Tylorrhynchus heterochetus</I>) の2種類の新型イノシトールリン酸糖脂質の構造解析
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概要
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汽水棲環形動物, イトメ (<I>Tylorrhynchus heterochetus</I>) の酸性糖脂質は, TLC分析によってリン検出試薬にのみ陽性を示すもの, さらに糖検出試薬にも陽性を示すものとの, 少なくとも7種類以上の成分から成る。それらのうち, 主要な2成分 (AGL<SUB>4</SUB>およびAGL<SUB>5</SUB>) を, イオン交換セファデックス (DEAE-Sephadex) およびケイ酸カラムクロマトグラフィーによって単離, 精製した。それらの構造を糖組成分析, フッ化水素酸分解, メチル化分析, 過ヨー素酸酸化分解, GC-MS分析, NMR分析およびMALDI-TOF MS (マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置) 分析によって解析し, AGL<SUB>4</SUB> : Man (α1-2) Ins (1→) -P-Cer, AGL<SUB>5</SUB> : Man (α1-2) [Fuc (α1-5)] Ins (1→) -P-Cerであると決定した。これらのイノシトールリン酸糖脂質の脂溶部は, 主として, 脂肪酸がパルミチン酸およびステアリン酸を, スフィンゴイド塩基はC18-スフィンガニンおよびC18-スフィンゴシンを成分としていた。
著者
-
杉田 陸海
滋賀大学教育学部化学教室
-
稲垣 冬彦
東京都臨床医学総合研究所生理活性教室
-
青木 一弘
滋賀大学教育学部化学教室
-
三輪 祥代
滋賀大学教育学部化学教室
-
市川 さおり
日本女子大学理学部・東京都臨床医学総合研究所
-
鈴木 實
東京都臨床医学総合研究所
-
DULANEY John
日本女子大学理学部物質生物科学教室
-
稲垣 冬彦
東京都臨床医学総合研究所生理活性教室, 生体膜教室
-
市川 さおり
日本女子大学理学部物質生物科学教室
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