薄層クロマトグラフィーによる陰イオンの一斉分析-1 : 無機薄層クロマトグラフィーの研究(第3報)

概要

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薄層クロマトグラフィーによる,陰イオンの一斉分析法を試み,一般的な20種の陰イオンを直接定性しうる方法を見いだした.検液は水溶液とし,各イオンにつき,0.2〜0.5%を含み,炭酸ナトリウムについて5%の溶液となるよう,冷時調製した.プレートの作製にあたっては,すべて金属イオンの一斉分析の場合に準じた.また,展開溶媒と呈色試薬をペーパークロマトグラフィーによる陰イオンの一斉分析に準じ検討した結果,1)アセトン:水(10:1)でチオシアン,ヨウ素,臭素,塩素,フェリシアン,フェロシアン,塩素酸,臭素酸,ヨウ素酸,硝酸などの各イオンを,2)メタノール:ブタノール:水(3:1:1)でフッ素,亜硝酸,チオ硫酸,硫酸,クロム酸,リン酸,ヒ酸,亜ヒ酸などの各イオンを,3)2<I>N</I>硝酸飽和<I>n</I>-ブタノールではシュウ酸,ホウ酸などの各イオンを分離定性できた.また,任意の時間プレートを溶媒蒸気で飽和させ,このまま展開できる,回転式展開そうを考案し使用した.
社団法人日本分析化学会の論文