酢酸繊維素の酢化度測定の迅速化
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概要
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酢酸繊維素の酢化度測定法としてアルカリけん化法,酸けん化法,酸化容量法などがあり,このうち前二者が主として用いられているようである.しかし,これら三者のいずれも迅速性に欠けている.<BR>酸化容量法は試料を硫酸に溶解後重クロム酸カリウムで酸化する間接法で,この方法を迅速化しようとすると酸化条件の規定が困難で,結果のバラツキが大きい.また,酸けん化法でも試料溶解,蒸留操作ともに長時間を要するものである.そこで,著者は不均一系アルカリけん化法の迅速化を検討した.<BR>アルカリけん化法はA. S. T. M. に採用されており,大要つぎの方法によっている. 20メッシュ以下の試料1gをとり, 75%アルコール 40m<I>l</I>を添加, 50〜60℃に30min加温前処理をして試料を膨潤させる.つぎに0.5<I>N</I>水酸化ナトリウム40m<I>l</I>を加え, 48〜72hr密せん放置後残留する水酸化ナトリウムを求める.<BR>この方法を迅速化するには試料粒度,けん化時のアルカリ濃度,けん化温度を変えることが考えられ, Genungがこれらの点を詳細に検討している. Genungの研究では, (1)けん化時のアルカリ濃度は 0.25<I>N</I>以下にしなければならず,濃くなると一定の定量値が得られない,(2)けん化時間は室温で24〜48hr, (3)けん化温度が40℃を越すと高値を与え一定しない,などの結論を得ている.<BR>著者らは使用するアルカリ濃度,使用量,溶媒量はA. S. T. M. 法と同じくし,不活性気流でけん化温度,時間,その他の条件を変えけん化法の迅速化の可能性を試験した.
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