ヒドラジンで還元するヘテロポリ青法によるリンの吸光定量 : 微量リンの吸光定量法の研究(第1報)
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概要
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微量リンを定量するヘテロポリ青法の信頼性をますために,ヒドラジンで還元する方法を検討した結果,試料溶液中のリン酸をモリブデン酸と縮合させる段階で,酸性度を1.2〜2.0<I>N</I>に調節し,5分間以上沸騰水中で加熱することが必要であり,このようにしないと,ばらついた高値を得ることを知った.生じたヘテロ縮合酸をヘテロポリ青に還元する段階では,硫酸,モリブデン酸ナトリウム(2水塩)および硫酸ヒドラジンを,それぞれ,0.85〜1.10<I>N</I>,0.225〜0.275%および0.003〜0.024%にしてから,沸騰水中で約10分間加熱する.これらの濃度範囲外では誤差を生ずる危険がある.青色は2時間は安定である.以上の結果に基づいて,リン1.25〜30μgを定量する方法を提案した.最終容積は25m<I>l</I>であり,820mμの吸光度を1cm吸収セルを用いて測る。リン10〜30μg および1.25μgの場合,それぞれ,2%以下および13%以下の誤差を期待できる.<BR>ヒドラジンを還元剤に用いるヘテロポリ青で微量のリンを吸光定量する方法を詳しく調べた.その結果,本法による定量値の信頼性を高くするには,リンをモリブドリン酸にするときに,1.2〜2.0<I>N</I>の硫酸酸性で温めなければならないことを知った.また,このヘテロ縮合酸を還元するときの硫酸,モリブデン酸ナトリウム,硫酸ヒドラジンなどの発色に及ぼす影響を調べて,これらの濃度範囲を,それぞれ0.85〜1.10<I>N</I>,0.225〜0.275%,0.003〜0.024%とした.吸光度は,発色後2時間以内に測る.定量誤差は,820mμの吸光度を測るときは,10〜30μgで2%以下,1.25μgで13%以下を期待できる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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