ベンゾヒドロキサム酸とのかつ色錯化合物を抽出する微量バナジウムの吸光定量法の改良 : 微量バナジウムの吸光定量(第1報)
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概要
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従来,種々難点があったベンゾヒドロキサム酸による微量バナジウムの抽出吸光定量法を検討して,ごく簡単な操作により精度よく定量する方法を提出した.本法ではpH緩衝剤が妨害イオンの被覆剤としても働き,バナジウム(V)は試薬の有機溶媒溶液により発色と同時に抽出される.抽出試薬溶液は調製が容易であり,少なくとも2箇月間は有効である.pHの許容範囲は著しく広い.次の操作によりバナジウム2.8〜約90μgを定量できる.<BR>試料溶液にマロン酸0.0444〜0.0556<I>M</I>を加え,pHを2.8〜4.4,容積を25m<I>l</I>にする.これを試薬0.144〜0.171%を含む3-ヘプタノール5m<I>l</I>で3分間振り,抽出層の450mμにおける吸光度を水を対照にして1cm吸収そうで測る.抽出層の色は少なくとも2日間は安定である.鉄(III),モリブデン(VI),白金(IV)およびタングステン(VI)はそれぞれ1.0,0.50,1.25および0.001mg以下であることを要するが,チタン(IV)その他の普通のイオンは少なくとも2.0mgまであってもさしつかえない.ピロリン酸ナトリウムを0.02<I>M</I>加えると,鉄の共存許容量は少なくも5mgまでふえる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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