光電分光光度計による比色法の研究(第2報) : Nitroso R Saltによる微量のコバルトの定量
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概要
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nitroso R saltを使用して微量のコバルトを定量する際の基礎的条件を検討した.<BR>nitroso R saltの水溶液は黄色を呈し,500mμ以下に於て吸収を示す.550〜570mμ以上に於ては殆ど吸収が認められない.コバルトの錯塩は赤色を呈し,415mμに於て最大の吸収を示し,470〜540mμ附近に段が見られ,後600mμ程迄直線的に減少した.従って過剰のnitroso R saltが共存するままでコバルトを定量する場合には,550〜570mμ以上の波長による事を要し,鋭敏度は著しく減少する.最も鋭敏な415mμを使用する場合には過剰の試薬は分解しなければならない。従来過剰の試薬の分解には硝酸々性で臭素で酸化する方法が採られたが,臭素によっては同時にコバルトの錯塩自身も分解され,目的を達しない.著者等は種々試みた結果,塩酸々性で過硼酸ソーダで酸化するとき好結果を得る事を知った.此の際過剰のnitroso R saltは完全に分解されるが,コバルト錯塩は何等変化を受けない.<BR>コバルト錯塩は,モル比で4倍以上の試薬を加え,pHを大約6とし,湯煎上で5乃至20分加熱すれば速に完成する.<BR>波長415mμを使用した場合,コバルトは,0.05〜1.8γ/mlまで定量する事が出来,570mμによっては115γ/mlまで定量出来た。
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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