螢光X線分析によるセメントおよびセメント原料中の無水ケイ酸および酸化アルミニウムの定量
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概要
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セメントおよびセメント原料中の無水ケイ酸および酸化アルミニウムを迅速に分析するため,螢光X線分析法により定量し,良好な結果を得た.<BR>検量線作成には純薬で調製した調合原料,合成クリンカーおよび工場製セメントを用いた.測定試料は300kg/cm<SUP>2</SUP>で加圧成形し,そのSiKα線およびAlKα線の強度と標準試料玄武岩の研摩切片のSiKα線およびAlKα線の強度とを測定して,無水ケイ酸および酸化アルミニウムを定量した.<BR>分光結晶はADPであり,X線通路は空気による螢光X線の吸収を防ぐためヘリウムガスを充テンし,強度測定にはガスフロー型比例計数管,ピークとバックグラウンドの識別には波高分析器を用いた.<BR>本法により,セメントおよびセメント原料中の無水ケイ酸および酸化アルミニウムを,試料板を作り替えて測定した際の定量値の標準偏差は,それぞれσ<SUB>SiO<SUB>2</SUB></SUB>=0.38%およびσ<SUB>Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB></SUB>=0.28%であり,螢光X線分析値と化学分析値の差の絶対値は無水ケイ酸0.13%,酸化アルミニウム0.20%であった.測定所要時間は試料板作成に要する時間を含めて10分以下であり,本分析法はセメントおよびセメント原料中の無水ケイ酸および酸化アルミニウムの迅速定量法としてきわめて有用な方法であると考える.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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