螢光X線分析によるセメントおよびセメント原料中の酸化第二鉄および酸化カルシウムの定量
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概要
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セメントおよびセメント原料中の酸化第二鉄および酸化カルシウムを迅速に分析するため,螢光X線分析法により定量し,良好な結果を得た.<BR>検量線の作成には,マトリックス効果を少なくするため,被測定成分以外の成分の比が一定となるように,純薬を用いて合成したセメントおよび調合原料を用いた.測定試料は,300kg/cm<SUP>2</SUP>で加圧成型し,標準試料として,酸化第二鉄定量の際にはバサルトの研摩切片を,また酸化カルシウム定量の際にはカルサイトの研摩切片を用いた.分光結晶,X線通路はそれぞれフッ化リチウムおよび真空とし,波高分析器を用い,シンチレーション計数管で測定した.<BR>測定試料を作り換え,同一試料を繰り返し測定した際の酸化第二鉄および酸化カルシウムの定量値の標準偏差はそれぞれσ<SUB>Fe<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB></SUB>=0.016%およびσ<SUB>CaO</SUB>=0.30%であり,化学分析値と螢光X線分析値の差の絶対値は酸化第二鉄0.096%,酸化カルシウム0.26%であった.測定に要する時間は試料作成時間を含めて10分以下であり,本分析法はセメントおよびセメント原料中の酸化第二鉄および酸化カルシウムの迅速定量法として,きわめて有効なものであると考える.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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