鉄(III)-キシレノールオレンジ錯体の組成および吸光光度定量法への応用
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概要
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酸性溶液で鉄(III)とキシレノールオレンジ(以下XOと略記)とが反応するとき,試薬が過剰に存在すれば組成1:1および1:2の2種の錯体を生じ,試薬ブランク対照では前者は545mμに,後者は500mμ付近に吸収の極大をもっている.また,鉄が過剰に存在するときは586mμ付近に吸収の極大をもつ組成1:1の錯体を生成する.吸光光度法を用いる種々の取り扱いに従ってこれらの錯体のモル吸光係数およびみかけの生成定数を求めた.<BR>これらの3種の錯体は鉄またはXOの定量に応用できる.0.084<I>M</I>過塩素酸溶液中において生成する1:1の錯体およびpH6.0において生成する1:2の錯体を用いれば,それぞれ3μg/25m<I>l</I>程度までの鉄を定量でき,0.05<I>M</I>過塩素酸溶液中に鉄を過剰に存在させたときに生ずる錯体を利用すれば,0.025μmol/25m<I>l</I>程度までのXOが定量できる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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