発色団を有するポリチアザアルカン誘導体を用いる金属イオンのセンシングと分離
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概要
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プロトン解離型発色団としてヒドラゾン部分を有するポリチアザアルカン誘導体による金属イオン錯形成平衡, 溶媒抽出並びに液膜輸送について検討した. 第一にジオキサン-水混合溶液系では, いずれの化合物も類似した酸解離平衡と高い銀イオン錯形成能を示し, 銀イオン錯形成により吸収スペクトルが大きく短波長シフトした. 銀イオン錯体の安定度は錯形成部であるポリチアザアルカン鎖の硫黄原子の数に依存することを認めた. 第二に金属イオンの溶媒抽出を行ったところ, 硫黄原子を4個持つ誘導体において高い銀イオン選択性を示し, 鉄イオン抽出により有機相中の吸収スペクトルが長波長シフトした. 鉄イオン錯体はポリチアザアルカン部分が非環状のもののほうがより低いpH領域から抽出される. 第三に液膜輸送のキャリヤーとして使用したところ, ポリチアザアルカン鎖に硫黄原子を4個持つものがプロトン駆動型の選択的な銀イオン輸送能を示した. 特に非環状のポリチアザアルカン鎖を持つヒドラゾン誘導体3は高い銀イオン輸送能を示した.
- 1999-01-05
著者
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和田 弘子
名古屋工業大学工学部応用化学科
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和田 弘子
名古屋工業大学
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小友 允
名古屋工業大学合成化学科
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小友 允
名古屋工業大学工学部応用化学科
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坂本 英文
和歌山大学システム工学部精密物質学科
-
石川 淳一
名古屋工業大学工学部応用化学科
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石川 淳一
名古屋工業大学
-
坂本 英文
Department Of Applied Chemistry Faculty Of Systems Engineering Wakayama University
-
Sakamoto H
Wakayama Univ. Wakayama
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