多発性脳神経炎を呈し,血栓性血小板減少性紫斑病を合併した結節性多発性動脈炎の1剖検例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
結節性多発性動脈炎(PN)に血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を合併した本邦第1例目を報告する.症例は70才の女性.再発性多発性脳神経炎(左第II・V,右第VIII・IX・X脳神経障害)で発病し,経過中にTTPを合併して出血傾向が出現し,全経過約11カ月で死亡した.主要病理学的所見は結節形成を伴う壊死性動脈炎と諸臓器における出血および微小血栓であり, PNにTTPを合併したことが死因と考えられた. PNの診断においてTTPは必須の除外疾患であるが,本症例は両者の合併が起こりえることを示した.さらに,本症例では脳神経の神経上膜から神経束への炎症細胞浸潤を認め,この所見はPNにおける末梢神経障害機序として血管炎とともに重視すべき所見と思われた.
著者
-
黒田 康夫
佐賀医科大学内科
-
柴崎 浩
佐賀医科大学 神経内科
-
小田 健一郎
佐賀医科大学 内科
-
近藤 成美
佐賀医科大学内科・神経内科部門
-
近藤 成美
佐賀医科大学内科
-
鈴木 久三
佐賀医科大学内科・血液部門
-
豊島 元
佐賀医科大学病理
-
柴崎 浩
佐賀医科大学 内科 (神経内科部門)
-
黒田 康夫
佐賀医科大学 内科 (神経内科部門)
-
黒田 康夫
佐賀医科大学内科・神経内科部門
-
柴崎 浩
佐賀医科大学内科・神経内科部門
関連論文
- 後天性C1インヒビター欠損症に関連した免疫複合体血管炎による多発単神経炎
- Focal laryngeal dystonia による呼吸困難発作をくりかえした Parkinson 病の1例
- MPO-ANCA関連の脊髄肥厚性硬膜炎の1例
- 発症早期より脳MRI拡散強調画像で片側性異常を呈した日本脳炎の1例
- プリオン蛋白質遺伝子ノックアウトによる Ras/Racl シグナル伝達系遺伝子群 (Eps8, P13K, cyclinD1, CD44) の発現変動
- 抗GM1b抗体陽性を認めた,Campylobacter jejuni (PEN 4型)感染後軸索型Guillain-Barre症候群の一例
- 進行性核上性麻痺の眼球運動障害に対する5-hydroxytryptophanの効果
- MRI脂肪抑制画像が早期診断に有用であった急性脊髄硬膜外血腫の1例
- Botulinum toxin 療法後に発症した急性多発根神経炎の1例
- 血清 vitamin B_ 値正常の亜急性連合変性症の1例
- I.代謝・中毒疾患に伴う神経障害4.中毒による神経障害
- 数十年の長期にわたる,きわめて緩徐進行性の家族性ミオクローヌスの1例
- ヒト神経系培養細胞におけるサイトカインによるプレセニリン遺伝子発現制御
- 瞳孔および眼瞼の交感神経異常が示された眼・咽頭遠位型ミオパチーの1例
- 前頭部律動性徐波について(目で見る脳波-6-)
- 鼻咽頭誘導の有用性(目で見る脳波-5-)
- 片頭痛と突発性脳波異常(目でみる脳波-4-)
- 耳朶基準電極のいたずら(目で見る脳波-3-)
- 周期性放電と呈する脳波について(目で見る脳波-2-)
- 代謝性脳症(目で見る脳波-1-)
- 鼻咽頭誘導による側頭葉てんかんの脳波 (てんかん)
- 多発性硬化症の脳波異常--とくに診断学的意義の再評価 (脳リピド-シスおよび脱髄疾患の脳波)
- 脳運動関連電位--記録法ならびにその意義に関する知見の総括 (脳波とコンピュ-タ)
- 脳波の合理的な判読法 判定基準標準化への試み
- 多発性硬化症の脳波異常 自験例を中心とした総括
- 特発性心筋症に伴う脳梗塞--両側動眼神経麻痺と感覚性失語をきたした症例
- ショック, disseminated intravascular coagulationおよび壊死性筋膜炎を呈し,早期のdebridementにより軽快したVibrio vulnificus敗血症の1例
- 親子に精神発達遅延,〓性脊髄麻痺を認めた家族性低β-リポ蛋白血症の1家系
- 妊娠前期に発症し,血液凝固機能亢進を伴った脳静脈洞血栓症の1例
- 運動優位のポリニューロパチーを合併し,ビタミンB6が奏効した原発性後天性鉄芽球性貧血の1例
- 多発性脳神経炎を呈し,血栓性血小板減少性紫斑病を合併した結節性多発性動脈炎の1剖検例
- 成人発症Reye症候群の1例
- A case of PEP syndrome.
- A case report of camurati-Engelmen's disease treated with EHDP.
- A case of shy-drager syndrome with bilateral vocal cord dysfunction.
- A report of two cases with recurrent cranial neuritis showing multiple cerebral white matter lesions in MRI-CT.
- Clinical, virological and immunological studies of human T-lymphotropic virus type-I-associated myelopathy(HAM).