副腎皮質機能亢進を伴つた末端肥大症の1例
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概要
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著者らは末端肥大症に糖尿病を合併し,さらにコルチゾールが過剰に分泌され,デキサメサゾン投与によつてその分泌が抑制されないという,クッシング症候群に類似した副腎皮質機能を呈した症例を経験した.末端肥大症は臨床的に軟部組織の肥大があり, HGHが160mμg/mlと異常に高く,ブドウ糖100g投与で抑制されぬことから確実であり,トルコ鞍の拡大,視神経萎縮から下垂体腫瘍に基づくものであることが明らかであつた.尿中17-OHCS, 17-KSはllmg/day, 18mg/dayで,デキサメサゾン8mgによつても抑制されなかつた.糖同化能は異常に低下しており,糖尿病状態のコントロールにNPHインスリン140単位を要した.開頭して下垂体腫瘍を摘出したところ,組織はいわゆる“mixed tumor”であつた.術後HGH, 17-HCS, 17-KS値は正常化し,かつデキサメサゾン2mgで抑制されるようになり,糖尿病状態も改善した.下垂体腫瘍からHGH, ACTHが過剰に分泌されたため,かゝる臨床症状を呈したと考えられ,かゝる症例は稀であるのでこゝに詳細を報告した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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久野 則一
虎の門病院内分泌科
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竹内 一夫
虎の門病院・脳神経外科
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紫芝 良昌
虎の門病院
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川村 友信
虎の門病院内分泌科
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松崎 宸
虎の門病院内分泌科
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鎮目 和夫
虎の門病院内分泌科
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神保 実
虎の門病院脳神経外科
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竹内 一夫
虎の門病院脳神経外科
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紫芝 良昌
虎の門病院内分泌科
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