肝細胞癌における血清Tissue PolypeptideAntigen (TPA)の検討
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概要
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肝細胞癌(肝癌)54例,肝硬変75例を対象として血清tissue polypeptide antigen(TPA)を測定し,その肝癌における腫瘍マーカーとしての有用性について検討した.肝癌の血清TPA値は216.9±157u/l(mean±sd)で,肝硬変の155.4±91u/lに比べ有意に高かった.しかし血清TPAの正常値を180u/l以下とすると,肝癌における陽性率は42.6%(23/54)と低く,肝癌の診断やスクリーニングに応用するには満足すべき成績ではなかった.一方血清TPA値の変動はTAE療法,one shot療法の効果を反映し,AFP低値肝癌における治療のモニターとしての有用性が示唆された.血清TPAは血清transamiase, alkaline phosphataseと相関関係にあり,その上昇機序として腫瘍由来のTPAの他に肝細胞障害,胆汁うっ滞が考えられた.
著者
-
田中 正俊
久留米大学 医学部 第2内科
-
谷川 久一
久留米大学
-
山口 弦二朗
久留米大学医学部公衆衛生学
-
二宮 冬彦
久留米大学第2内科
-
久保 保彦
久留米大学 第2内科
-
阿部 正秀
久留米大学医学部第二内科
-
藤本 隆史
久留米大学第2内科
-
白石 公彦
久留米大学第2内科
-
三浦 力
久留米大学第2内科
-
三浦 力
久留米大学医学部第2内科
-
阿部 正秀
久留米大学医学部第2内科
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