急性妊娠脂肪肝の一救命例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
組織学的に確認された急性妊娠脂肪肝の生存例は稀である.最近,我々は,本症を経験し,帝王切開を施行し,母児共に救命し得たので,検討を加えて報告する.症例は27歳の主婦で,妊娠37週より,嘔吐,黄疸が出現した.血液凝固能はよく保たれていたので,帝王切開を行ない生児を得た.同時に施行した肝生検の組織像では,肝細胞は無数の小脂肪滴で占められ,急性妊娠脂肪肝と確定診断された.帝王切開後,肝機能は急速に改善し,第37病日の肝生検は,ほぼ正常な組織像であった.本症にはテトラサイクリン投与はなく,妊娠の継続自体が病因と深く関係していると思われた.妊娠末期の黄疸例では本症を他の疾患と鑑別し,胎児娩出,妊娠の中絶を計り母児を救命するべきである.
著者
-
村上 博
名古屋大学法学研究科
-
栗木 潤介
名古屋大学第3内科
-
堀田 泰裕
名古屋大学医学部第3内科
-
鮫島 庸一
愛知医科大学第1内科
-
小坂 稔男子
名古屋大学第3内科
-
各務 伸一
名古屋大学 第3内科
-
村上 博
名古屋大学第3内科
-
林久 男
名古屋大学第3内科
-
堀田 泰裕
名古屋大学第3内科
関連論文
- 献血を契機に発見された無症候性Wilson病の1例
- ドイツ連邦共和国における計画法理論研究序説
- 肝疾患におけるラジオイムノアッセイ(固相法と2抗体法)によるAu抗原の検出
- インドシアニングリーンによる肝機能の研究
- 急性妊娠脂肪肝の一救命例
- 実験的ラット脂肪肝の浮遊脂質における電子顕微鏡的分析
- 真性赤血球増加症より骨髄線維症への移行型と思われる1例
- 肝細胞lysosomesの超微形態的研究
- Dubin-Johnson症候群にみられる顆粒の電子顕微鏡的研究
- ラジオイムノアッセイ法による,肝疾患々者血中の肝細胞膜抗原に対する抗体の検出とその意義に関する研究
- 慢性肝炎活動型のリンパ球細胞障害に対する阻止反応
- 慢性肝炎患者の末梢血リンパ球およびそのseparated lymphocyteのChang肝細胞に対する細胞障害性の検討
- B型慢性肝疾患における肝組織内HBV関連抗原およびHLA class I抗原の分布の検討
- 多彩な臨床経過をたどつた抗インスリン受容体抗体によるインスリン抵抗性糖尿病の1症例
- ウイルスマーカーの消長からみたHBe抗原陽性慢性肝炎に対する溶連菌製剤(OK-432)の効果について
- HBV関連マーカーのスクリーニングとB型肝炎の発症について
- Influences of pituitary and suprarenal glands upon immunization
- タイトル無し
- Albumin synthesis in perfused liver of oormal and chronic CCl4 intoxicated rats with carbonate-14C
- B型肝炎の発生機序