インターフェロン投与中,精神症状を呈したC型慢性活動性肝炎の2例
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概要
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インターフェロン(IFN)治療中に精神症状を呈したC型慢性活動性肝炎の2例を報告した.症例1は44歳,男性.トランスアミナーゼの異常,HCV抗体陽性を認めたためHLBIを投与した.開始当初,発熱,食欲不振が出現,遅れて13日目より不眠,抑鬱症状が出現し,さらに自殺企図,被害妄想も認めた.それ故,投与を中止し,抗精神薬で徐々に改善した.症例2は34歳,女性.トランスアミナーゼの異常,HCV-RNA陽性を認めたため,IFN-α投与を関始した.当初,発熱,悪寒,倦怠感,食思不振が出現し,4日目から不眠,焦燥感も出現した.精神安定剤を併用したところ,症状は改善し,IFN投与を終了しえた.<BR>IFNは,慢性肝炎に対する通常量でも,稀ながら精神症状を呈する例もあるため,IFN治療中は充分な注意が必要である.
著者
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藤山 重俊
熊本大学第3内科
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近沢 秀人
熊本大学第3内科
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佐藤 辰男
熊本大学第3内科
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伊津野 清徳
熊本大学第3内科
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川野 真一
熊本大学第3内科
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村田 博司
熊本大学第3内科
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柴田 淳治
熊本大学第3内科
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